「雛…"蟹"じゃなくて"犬"ね。」



横で稜斗が頷いている。
稜斗も知ってたって事?うわ…屈辱。



「知らなかった?猿と蟹じゃ"さるかに戦争"じゃん。」



稜斗に言われるってどんだけひどいんだあたしは。



「あはは!楠原君、"さるかに戦争"ってないから。"さるかに合戦"だよ。雛も稜斗君も変ね。」



同類…そんなバカじゃない!!



『変って…ちょっと言葉間違えただけじゃん!』


「俺も雛も正常な一般人だから。」



いや、あなただけは正常ではないと思います。あたしは普通ですけど。



「はぁー。百歩譲ってよ?百歩譲って雛が正常でも、楠原君は変人だから。」


「意味わかんねぇよ。」



もーまた喧嘩始まっちゃった。
仲悪すぎでしょ。



『もう、なんでもいいから!』



――…あ、そーいえば…



『奈留、彼氏出来た?』