キスの魔術師



「……ハイジー…?」



あたしを呼ぶ、恭介の声がした。

だけどあたしは返事をしなかった。



…なんというか……タイミングって重要じゃん?



実はあたし、教卓の下に隠れてます。


前のドアを鍵をかけて閉めてたから、後ろのドアから入ってくるしかないっていうね。

あたし頭いい~♪




ガタッ――



恭介がどこかの席に座る音が聞こえた。



……そろそろかな?




あたしは無言で気合を入れて、恭介の前に出る準備をした。