私をマンションへ送ってすぐ慎矢さんは職場へと向かった。 「…ただいま」 部屋へ入ると、三週間前と何一つと変わらない光景に涙が出そうになる。お揃いのマグカップに歯ブラシ。 在り来りな事がこんなに嬉しい事だったなんて、慎矢さんと離れるまでは気付かなかった。 慎矢さんも…そのまま残して置いてくれてたなんて…凄く嬉しい。