「僕は毎年、欠かさずお祭りに参加してるからねぇ!」



「意外にも祭り男だ」



そっか、歩くんは地元の人だ。




「そういえば、お二人は地元はどこなんですか?」



「あー、俺らはN市ってとこ」



N市って……



「近いです!私、隣ですよ!」



「おぉ、それは偶然だねぇ」



「でも、みなさん遠い割にはお互いのことよく知ってますね」



「まぁ、去年もここでバイトしてたしな」



あれ?


去年ってまだ中学生なんじゃあ……。



「祥太郎と年齢偽ってここのバイト始めたんだよなー」



「でも、店長は最初から分かってたみたいだけどね~」



「去年もいろいろとあったなぁ、直人。」



「そうだねぇ、直くん」



「うわぁー、言うなぁー!」



去年、私はここにいなかったからみんなのことはまだよくわからないし、去年の出来事も知らない。



去年いなかったことを少し残念に思います……。