「痛くないです……」
私を真っ直ぐ見る祥太郎くんの目を見られなくなった、私は目を逸らしながら言った。
「嘘つけ……足腫れてんじゃん」
祥太郎くんは私の足を見ながら言った。
「だ、大丈夫ですっ!」
そう言った瞬間、私はよろけた。
「唯ちゃん!」
直人くんが叫んだ。
祥太郎くんは上手く私を支えてくれた。
「……あぶねぇ」
「す、すみません……」
ほら、
まただ
またドキドキと鼓動が高鳴る。
「バレーなんかしてる場合じゃねぇよ。……ほら乗れ」
祥太郎くんはしゃがんで背中を向けた。
「ふぇ?」
「早くしろ」
おんぶってこと?
「いいい、いいです!!大丈夫ですから!」
私は顔の前で手をぶんぶん振った。
それほどの怪我じゃないし
恥ずかしいし
おんぶって……密着する。

