……彼女。
ズキッと私は急に痛くなった。
なんで?
「なに、祥太郎と明里もビーチバレー大会に出るの?」
「うんっ!絶対優勝してやるんだから!」
明里さんが言った。
「それは残念だ。今年の優勝は俺と唯ちゃんが貰うからな!な?唯にゃん」
「あ……はいっ!」
少しボーッとしていた私は慌てて返事をした。
「あたしたちだって負けないんだから!祥太郎!練習よ!練習!」
「だる……」
祥太郎くんは嫌そうな顔をした。
だけど、明里さんはそんなことは気にせず、祥太郎くんの腕を掴んで連れ去ってしまった。
私はただそれを見ていることしかできなかった。

