「ほら、僕って軟弱でしょ?僕なんかでたら突き指しちゃうよ……」



歩くんは弱々しい演技をしながら言った。



全然軟弱だと思わないのは私だけですか?



むしろ、一番強そうに思うのは私だけですか?



「お願い唯ちゃん!俺と出て!」



直人くんは顔の前で手をあわせて言った。



「ん~、上手じゃないですよ?」



「いいよ!……みっちり特訓するから」



「え゛!!みっちり特訓!?」



「いいじゃん、夏の思い出になるよ?豪華賞品だよ?」



「仕方ないですねぇ……やると決めたらやりますよ!!」




「わぁ唯ちゃんたくましい~」




「ありがとう、唯にゃん!」



直人くんは私に飛びついてきた。




こうなったら優勝目指してやります!