「天宮、俺の最後の願い聞いてくれる?」 コクッと私は首を縦にふった。 「今まで通り、俺と友達でいてくれる?」 「はい……っ!はい!ずっと友達です!」 「ありがとう……じゃあ俺、もう行くな。いい加減泣き止めよ」 西野くんは私の頭を1度だけ優しく撫でて、海の家とは逆の方向に進んだ。 その背中を私は最後まで見届けた。 西野くんの背中がとても大きくみえた。私には今までで一番大きく見えたんだ。