不器用な愛で、意地悪なその唇で。






「春の気持ち考えたことある!?なぁお前ある?!」

「…春、の気持ちかぁ…考えたこと無かった」

「なんつー自己中心的だよお前は!
 味わえ一旦!そして謝れ!」

「…だからなんで由希が熱くなってるの。」

「んなもん春は俺の幼馴染だからに
 決まってんだろぉがよぉおお!」

「…あぁ、そういえば。」



なるほどなるほど。ってことは由希は春のことが好きなんだ。……まぁ俺のだけどね。ってか春ってよぶな。

幼馴染よりも勝るのは絶対恋人だと俺は思う。



そんなことを気楽に思っていると6限目開始のチャイムがなる。熱くまだ尚叫んでる由希の襟をつかみずるずると引きずり教室へと戻っていった。







ガラリ、と教室の戸を開けると女子が駆け寄ってくる。…正直うっとうしいんだよねー…でもまぁ、春のためでもあるしね。



「もう!どこ行ってたの~?!千架ぁ」

「探してもいなかったから…
 って村岡なんかと一緒にいたの?!」

「なんかとかいうなメスブタども」

「はは…まぁほら、先生来たからみんな席着こう?」



俺はそう言って席に戻ろうとする。由希が途中で「二重人格」とか言ってたけど…そんなの気にしない。