「…他の女の手を取って学校へきたぁ!?彼女そのまま置き去りにしてか!?お前どんだけ狂ってんだよ!」


「……うるさいなぁ……」



向 千架。ただいま男友達である由希(ゆき)に説教をされている。



「お前それぜってー誤解されたぞ。今ぜってー絶望の中にいるぞ春のやつ」

「…わかってるよ。だから相談したんだろ。…ってか春って名前でよぶな」

「妬いてる場合かよ!…ったく。恋のスペシャリストに見えるお前の愛情表現がわからない。なんだ春…っごほん、松岡が可愛くなってたからってイヤに緊張してうまく話せなくて格好悪いところ見せたくなくて彼女置き去り他の女お持ち帰りって…あぁああ!お前神経狂ってるよ!」



無駄に説明多いよ由希…俺は目の前のなぜか俺と春との恋愛模様であせっている人物を一睨みする。

…っつかお持ち帰りとかそんな下ネタ行きのような台詞をはっするなよ気持ち悪い。



「大体お前は最初から!女と遊びだしたのもすべては春に“行かないで”とか言わせるためだけのもんだろ?!お前サドだよ!サドすぎる!哀れだ春が!」


「困った顔が可愛くて仕方ないんだからしょうがないでしょ。…ってか春ってよぶな。」


「あぁもういいよ!っつか謝れよ!いっそ別れろ!お前じゃあの純粋な春を幸せにできない!」


「だからなんで由希がそこまでいうの。別れないよ。俺は春のことすっごい好きだからね。愛してるからね。」


「彼女のことさんざん傷つけておいて平然な顔してそんなこというなぁああああ!」