二学期早々、俺は校長室に呼び出される。
職員室ではなく校長室だ。
飲酒がバレたかな、なんて考えていたが、それより質の悪いものが待ち構えていた。
「アンタが長谷川孝太ね」
母親位の年齢だと思われる女性が、敵意を隠しもせず俺を睨む。
隣では、他校の制服を着た女子が、泣きながら「お母さんやめて」と繰り返す。
いつかの、「安全日」の子だった。
俺の担任と、校長と、教頭。
皆、母親に言われるまま頭を下げている。
その母親の言い分によると、どうやら俺は、彼女の可愛い愛娘を妊娠させた外道らしい。
笑ってしまった。
笑いが止まらなかった。
「そんな嘘つきに謝る必要ないよ」と担任に言うと、母親は狂ったように怒鳴り散らし、先生方は慌てふためく。
愉快で仕方ない。
「妊娠した? そりゃ御目出度いね、頭が。
無い精子でどうやれば妊娠できるのか、俺にも教えてよ」
そんな方法があるなら一番知りたいのは他でもない、俺自身だよ。
職員室ではなく校長室だ。
飲酒がバレたかな、なんて考えていたが、それより質の悪いものが待ち構えていた。
「アンタが長谷川孝太ね」
母親位の年齢だと思われる女性が、敵意を隠しもせず俺を睨む。
隣では、他校の制服を着た女子が、泣きながら「お母さんやめて」と繰り返す。
いつかの、「安全日」の子だった。
俺の担任と、校長と、教頭。
皆、母親に言われるまま頭を下げている。
その母親の言い分によると、どうやら俺は、彼女の可愛い愛娘を妊娠させた外道らしい。
笑ってしまった。
笑いが止まらなかった。
「そんな嘘つきに謝る必要ないよ」と担任に言うと、母親は狂ったように怒鳴り散らし、先生方は慌てふためく。
愉快で仕方ない。
「妊娠した? そりゃ御目出度いね、頭が。
無い精子でどうやれば妊娠できるのか、俺にも教えてよ」
そんな方法があるなら一番知りたいのは他でもない、俺自身だよ。

