白き砦〈レイオノレー〉

 「いいか、決して逃がすのではないぞ。相手は王太子殿下の命を狙った賊どもだ。容赦はするな!」

 銃士たちは彼の指示に従い、賊の行方を追って散り散りに分かれた。

 昼がたデュークが睨んでいた通り、あの二人のスイスの傭兵たちは、宮殿へ入った途端に行方を眩ました。

 いったいどこへ消えたかと危惧していたところ、案の定、後宮の王太子の寝所へ賊が侵入したとの報が入った。

 幸い護衛の発見が早くて何事もなかったものの、賊は護衛兵の手を逃れて中庭へ逃げ込んだという。

 賊たちの目的が王太子の命なら、それは世継ぎを狙った恐ろしい暗殺未遂事件だ。

 何としても賊たちの逃亡を阻止し、生きたまま逮捕しなければ。

 フロベールは、中庭の花壇と生け垣の間の石畳を一目散に駆け抜けた。

 と、草むらから、ザッとなにか白いものが飛び出しした。