その中のひとり、勲章を捧げ持った黒髪の若い侍女が、突然あっと声をあげて、その場に倒れ込んだ。
拍子に勲章が放り出されて床に落ち、鋭い金属の響きをたてた。
広間は再び静けさに包まれた。
が、この静けさは、先ほどフリーラインとエレオノールが入ってきたときの静けさとは、雰囲気を全く異にするものだった。
それはあからさまな軽蔑や敵意の入り交じった、重たく緊張した沈黙であった。
そしてそれは明らかに、勲章をとり落とした少女に向けられていた。
少女の隣を歩いていた年長の侍女が、冷たい口調で彼女を咎めた。
「陛下の御前で、なんという無礼を!」
床に膝を折ったまま俯いている少女の肩が、小刻みに震えている。
いまの一部始終を見ていたエレオノールの胸に、次第に憤りがこみあげた。
(違う! 彼女は足を掛けられ、わざと転ばされたのだ。誰もがその瞬間を見ていたはずなのに、広間のこの雰囲気はなんだ!?)
満場の敵意の中で、王妃だけが青白い顔に困惑の色を浮かべていた。
その裏には、少女を弁護してあげたくともできないことへの苦悩が隠されているように見えた。
拍子に勲章が放り出されて床に落ち、鋭い金属の響きをたてた。
広間は再び静けさに包まれた。
が、この静けさは、先ほどフリーラインとエレオノールが入ってきたときの静けさとは、雰囲気を全く異にするものだった。
それはあからさまな軽蔑や敵意の入り交じった、重たく緊張した沈黙であった。
そしてそれは明らかに、勲章をとり落とした少女に向けられていた。
少女の隣を歩いていた年長の侍女が、冷たい口調で彼女を咎めた。
「陛下の御前で、なんという無礼を!」
床に膝を折ったまま俯いている少女の肩が、小刻みに震えている。
いまの一部始終を見ていたエレオノールの胸に、次第に憤りがこみあげた。
(違う! 彼女は足を掛けられ、わざと転ばされたのだ。誰もがその瞬間を見ていたはずなのに、広間のこの雰囲気はなんだ!?)
満場の敵意の中で、王妃だけが青白い顔に困惑の色を浮かべていた。
その裏には、少女を弁護してあげたくともできないことへの苦悩が隠されているように見えた。
