「いや、レイピアの類ではないと思う。レイピアのような武器では、多少とも剣の覚えの
ある者に、至近距離から一撃でとどめを刺すことなど不可能だ。
この男はまったく何の防御もなしに背後を襲われている。
これは短剣か、いや、もっと細い、例えて言うならダーツの矢のようなもので、離れたところから狙われたのだ」
「ダーツの矢などで致命傷が与えられましょうか?」
「できるかどうか見てみるといい。毛の一筋たりとも急所を外れていないだろう」
そう言って周囲を見回したデュークの足許に、キラリと陽光を弾くものがあった。
彼は腰を屈めて、草むらからそれを拾いあげた。
それは柄(つか)に金線細工の施された、華奢(きゃしゃ)な作りの短剣だった。
「懐剣……しかも女物だ」
するとフロベールが、剣と男とを見比べて言った。
「この男を殺ったのは、この剣ではありませんね。切り口が違います。とすると、どうい
うことだろう?」
デュークは謎の手掛かりを捜して、辺りを歩き回った。
そしてとうとう、灌木の茂みに引っかかって破れた白い布を発見した。
手にとってすぐに、それがとても高価な絹織物で、縫いとりの模様などからして、貴婦人の衣服の一部に違いないことがわかった。
デュークの脳裏にひとつの推理が浮かんできた。
ある者に、至近距離から一撃でとどめを刺すことなど不可能だ。
この男はまったく何の防御もなしに背後を襲われている。
これは短剣か、いや、もっと細い、例えて言うならダーツの矢のようなもので、離れたところから狙われたのだ」
「ダーツの矢などで致命傷が与えられましょうか?」
「できるかどうか見てみるといい。毛の一筋たりとも急所を外れていないだろう」
そう言って周囲を見回したデュークの足許に、キラリと陽光を弾くものがあった。
彼は腰を屈めて、草むらからそれを拾いあげた。
それは柄(つか)に金線細工の施された、華奢(きゃしゃ)な作りの短剣だった。
「懐剣……しかも女物だ」
するとフロベールが、剣と男とを見比べて言った。
「この男を殺ったのは、この剣ではありませんね。切り口が違います。とすると、どうい
うことだろう?」
デュークは謎の手掛かりを捜して、辺りを歩き回った。
そしてとうとう、灌木の茂みに引っかかって破れた白い布を発見した。
手にとってすぐに、それがとても高価な絹織物で、縫いとりの模様などからして、貴婦人の衣服の一部に違いないことがわかった。
デュークの脳裏にひとつの推理が浮かんできた。
