「おま‥っ、泣いてんじゃねーよっ

俺が泣かせたみたいじゃん」


「だって‥ 好きだから」


泣き顔で言った。

亮はハハッと笑って私から離れ、手を差し延べてくれた。

「ほら帰んぞ、紗緒」


「‥うんっ」


初めて、手を繋いで帰った。
ずっと、欲しかった温もりが、

手の中にあった。


ずっと、こうやって
亮の傍にいたいなって、

心から思った。