あああああ。

疲れた。しんどー。
そう思いながら、いつもの駅前のビルの裏の道を通っていた。
登下校のときも誰かに見られてないか確認しながら帰っている。
だから、人目のつかない裏の道を通っているのだ。

曲がり角を、曲がろうとしたときだった。

「やっ、やめてください・・・。おっおか、お金なんてないです・・・。」
「持ってないわけないだろうが!!はよ、ださんかあああ」
「ほんとに持ってないんです・・・。」
「じゃあ、体で払うか?なぁ姉えちゃんよお?」
「いっいっ、イヤですっ!離してくださいっ・・・。」

チンピラが女の子を連れ去ろうとしてる。
そんなのみたら助けないわけにはいかないよね。
それに、私は小さい時からお父さんに弱い者がいじめられてたら、助けなさい。
って教えられてた。

「おいっ!!オッサン何してんの??」

女の子の腕からオッサンの手を離してやった。