「椎、おはよ」 「成兄!おはよ〜」 部屋を出た所で、向こうもちょうど部屋を出たらしい成兄と出くわした。 「へ〜、高校生じゃん」 あたしの姿を見た成兄は、ふわりと笑ってあたしの頭を軽く撫でた。 「似合う?」 くるりと一回転したあたしに 「似合う似合う。やっぱ制服っていいな」 成兄はどこかうらやましそう。 「やっぱ私服は大変?」 「うん、かなり」 成兄の通う高校は県内一の賢い学校で、あたしの学校以上に自由であり、制服すらないのだ。 だから成兄は毎日服選びに苦労してるみたい。