「お、椎じゃないか。もう起きたの?」 「お父さん!」 お母さんと話してたら、お父さんがリビングへと入ってきた。 あたしの向かいに座ったお父さんの元に、お母さんが朝食と新聞を置く。 「今日から学校か?」 「そう。入学式だよ」 「そうか。だから成(なる)はまだ寝てんのか」 あたしの言葉に、お父さんは納得したように頷いた。 成とは、あたしのお兄ちゃん。 あたしとは違う高校に通うが、今年で高校3年生。