お母さんは、料理上手。 トーストや目玉焼きの焼き加減も、コーヒーの入れ加減も、絶対に最高級だと思う。 「…それにしても」 「ん?」 「椎(しい)も、もう高校生なのね」 トーストをかじっていたあたしは、思わず手を止めた。 キッチンにいるお母さんを見ると、しみじみとした顔であたしを見てる。 「どうりであたしも老けたわけね〜」 「ちょ、何おばさんみたいな事いってるの?」 お母さんの言葉に思わず吹き出すと 「あたしはもうおばさんよ?」 柔らかな笑顔で微笑んだ。