「陽の名前は、藤岡 陽(ふじおか よう)!太陽の陽で、陽だよーっ」
ニコニコと笑いながら自己紹介をする彼女、陽ちゃんと共に、校舎へ向かって歩きだす。
「あたしは野々山 椎。椎名林檎さんの椎だよ」
「椎かぁ!あ、椎でいい?陽も陽でいいからさっ」
明るく元気な陽ちゃ…、じゃなくて陽は、人見知りを全くしないようでどんどん話しを進めてくれる。
どちらかというと話しをするのが苦手なあたしにとって、このタイプの女の子はすごく好きだ。
「陽ね、椎と同じバスに乗ってたんだよ!」
「え、そうなの?」
「うん!だけどね、席が遠かったから話しかけれなくて…。だから、降りてすぐに声かけちゃった!」


