そこにいたのは、152センチのあたしよりさらに小さな女の子。
耳の上で長い髪をツインテールにしたその娘は、濃いグレーのカーディガンと赤いリボンが違うが、あたしと同じ制服に身を包んでいる。
「柊高校の新入生、だよね?」
ぱっちりと開いた二重の目。
色白な肌に、小さな唇。
すごく可愛いその娘は、ちょっと不安気に首を傾けてあたしに問うた。
「そうだよ?」
無表情のままのあたしの言葉に
「よかったーっ!ね、一緒に行かない?」
安心したように笑った彼女は、今度はそう問うた。
どちらかと言えば人見知りのするあたしだけど、そのふにゃりとした可愛いらしい笑顔に、警戒心はすっかり溶けた。


