無花の桜木

それから数年後、桜木の下には、1人の女の姿があった。


隣には夫、そして2人の子どもの姿もある。



満開の桜のもと、響く無邪気な笑い声が2つ。


そんな子ども達の姿を、女はとても幸せそうに見つめていた。





毎年少しずつ花を増やし、今では見事なまでに満開の桜を咲かせるようになった桜木。



そこには、かつて“無花の桜木”と呼ばれていた面影など、どこにもない。