恋するために生まれた

妻と寝ていないわけじゃなかった。

ナオには悪いと思ったが
妻にも罪悪感があり
求められれば応じていた。



「赤ちゃんができたみたい」


うれしそうに言う妻のその言葉に
正直、愕然とした。
自分勝手だが、喜べなかった。



「予定日は四月だって」




桜の季節か。
ナオと出会った季節だ。
こんな時まで俺はナオのことを考えている。



―最低だ。


どうしたらいいのかわからない。

ナオと
どこまでいけるっていうんだ。



でも
身重の妻を捨てるなんてこと
できやしない。
どっちにしたって中途半端だ。



ナオと別れるのか?

別れたくない。



ナオを
愛してるんだ…