季節は流れていき
あたしとツバサは
高校三年生になった。



「ユウは大学行くの?」

ブランコを立ちこぎしながら
ツバサは言った。



「行かないよ」

「そっか」

「ツバサは?」

「行かねー」



ジャンプするようにブランコから降りると、ツバサはあたしを見た。



「一緒に暮らすんだろ?」

「うん…」



あたし達はきっと
何年もこうして
気持ちを確かめ合うんだろう。


毎日こうして
言葉を紡ぎ合いながら
歳を重ねていくんだろう。


それは
永遠の約束のように思えた。



「きっとバーサンになっても
 おまえ牛乳飲むんだろーな」

からかうようにツバサが言う。



「背ぇ伸びたりしてね」

「伸びねーしっ」

「わかんないじゃんっ」

「あはははは」




二人で笑いながら
手をつないだ帰り道。

今日も明日も
いつものように時間は過ぎていくと信じてた。





でもそれは
永くは続かなかったんだ…



ねぇきっと
神様っていじわるだね。

あたしも
ツバサも
何も悪いことなんか
してないのにね…



あたし達はまだ
結局は子供で


大人達の事情に
子供達は巻き込まれていってしまうんだね…