はぁはぁはぁ…
息を切らせて
病院の屋上に上がると
雨だから誰もいない。
「そうだよね…」
あたしは小さく呟いた。
傘もささずに走ってきた。
全身びしょ濡れだ。
空は灰色で
泣いてるようにも見える。
「来るわけないよね」
そういえば
朝から何も食べてなかった。
髪もとかしてない。
でも顔は一応洗ったのが
せめてもの救い、かも。
“ユウは濡れると
すぐ熱を出すんだから”
小学生の頃
傘を忘れて濡れて帰ると
母によく言われた。
「もう熱なんか出ないよーだ」
あたしは立ったまま
柵に寄り掛かった。
何してんだか。
どうせ来ないと思いつつ
すぐに帰ることができない。
待つのは嫌いなのに。
もう少し。
もう少しだけ、待ってみよう。
あたしは雨が目に入らないよう
目を閉じた。
こんな風に
誰かを想うことなんて
自分の人生にはないと思っていた。
想像できなかった。
でも今
すごくツバサのこと
知りたい、と思ってる。
ツバサに会いたい。
息を切らせて
病院の屋上に上がると
雨だから誰もいない。
「そうだよね…」
あたしは小さく呟いた。
傘もささずに走ってきた。
全身びしょ濡れだ。
空は灰色で
泣いてるようにも見える。
「来るわけないよね」
そういえば
朝から何も食べてなかった。
髪もとかしてない。
でも顔は一応洗ったのが
せめてもの救い、かも。
“ユウは濡れると
すぐ熱を出すんだから”
小学生の頃
傘を忘れて濡れて帰ると
母によく言われた。
「もう熱なんか出ないよーだ」
あたしは立ったまま
柵に寄り掛かった。
何してんだか。
どうせ来ないと思いつつ
すぐに帰ることができない。
待つのは嫌いなのに。
もう少し。
もう少しだけ、待ってみよう。
あたしは雨が目に入らないよう
目を閉じた。
こんな風に
誰かを想うことなんて
自分の人生にはないと思っていた。
想像できなかった。
でも今
すごくツバサのこと
知りたい、と思ってる。
ツバサに会いたい。


