「ツバサはきっと空飛べるね」
「はぁ?」
「翼、だから」
「くっだらねー」
空を飛べたら
父に会えるんだろうか。
そんなふうに
考えたときもあった。
遠い昔。
かといって
父に会いたいわけじゃない。
いないのが普通だったし
父を懐かしむほどの記憶もない。
執着もない。
それでも
父がいたら、と
考えることはある。
「空飛ぶなんて
死ぬときくらいじゃねーの」
「えっ?」
心の中を見透かされたみたいで
ビックリした。
ツバサの目は
ビー玉のように澄んでいる。
「だから
みんないつか空飛べる」
「…うん」
―みんないつか空飛べる―
心が
ほんのり温かくなった。
まるで
夕焼け空みたいに。
「はぁ?」
「翼、だから」
「くっだらねー」
空を飛べたら
父に会えるんだろうか。
そんなふうに
考えたときもあった。
遠い昔。
かといって
父に会いたいわけじゃない。
いないのが普通だったし
父を懐かしむほどの記憶もない。
執着もない。
それでも
父がいたら、と
考えることはある。
「空飛ぶなんて
死ぬときくらいじゃねーの」
「えっ?」
心の中を見透かされたみたいで
ビックリした。
ツバサの目は
ビー玉のように澄んでいる。
「だから
みんないつか空飛べる」
「…うん」
―みんないつか空飛べる―
心が
ほんのり温かくなった。
まるで
夕焼け空みたいに。


