聖河がその青年と最初に関わりを持ったのは、小学五年生の時である。



「ごめんね、此処梨君。休んでいる間に生徒会メンバーが決まって……その……君が副会長に任命されちゃったの。」


麗らかな日差しが差し込む五年三組の教室。

担任である茶髪のボブカットの女性教師が言った。



「副……会長!?自分が……?」


聖河は面食らったように目を丸くして、思わずイスから立ち上がっていた。

ガタッという音と共に、机が揺れる。



「本当にごめんね。先生、抗議したんだけど……生徒会長が指名した時は変えられないってルールがあるから。あっ、ちなみに生徒会長は四組の時神 火槌君よ。此処梨君とは正反対のタイプだけど……仲良く頑張ってね。」


教室内がざわめく。



「うっわあ、悲惨だな、此処梨。」


「時神と此処梨はぜってえ意見合わねえよな。」


「いじめに近いよねー。」


「みんな、静かに!それで、今日の放課後に生徒会の顔合わせがあるから、生徒会室に行ってね。一年間ファイトよ、此処梨君!」