「梓!未成年なのに、タバコなんか吸ったらダメだろ!」


約一時間前、一階のリビングルームにて。


柳都は厳しい口調で嗜めながら、梓の右手からタバコをひったっくった。

だるそうにソファーに寝っ転がっていた梓は、頭を起こして柳都を睨んだ。



「私の体なんだから、いいか悪いかは私が決める。返してよ、タバコ。」


「お前の体だから、僕は心配して言っているんだよ!血は繋がっていなくても、大事な妹なんだからな。」


「まあまあ……柳都兄さん。梓ちゃんは本気でタバコを吸おうとしたわけじゃないんですから。タバコを持つ姿ってカッコいいよねって話していただけです。」


梓の隣に座っていた柚枝が、フォローするように手を前に出して言う。