手をついた部分を改めて見てみると、銀色のまきびしのような形をしたものが落ちていた。 大きさはトゲトゲした部分の長さが五ミリ弱、土台部分が二ミリ弱ほど。 「これ……アクセサリーの一部か?郁のピアスにこんなものが付いていたような……まさか郁が来たのか?」 手に刺さったものをつまみ上げて、柳都はしげしげと観察する。 (全く……梓といい郁といい……だらしがないというか何というか。) アクセの欠片をゴミ箱に捨て、二つのクッションをソファに並べ直しながら、柳都はふと思う。