「オレの知らない間に、いろいろあったんやってことだけはわかったわ。話は変わるんやけど……梓はん、今日は暇?どこか出かけへん?」
「暇だけど……どこかってどこ?」
郁は腕組みをして、数秒考えてから答える。
「この近くやったら……ゲーセンのアリマかファッションハウスのEXEEやな。ああ、アクセ館のジャゲも捨てがたいんやけどなあ。」
「……郁の好みが揃うところばっかりだね。でも……今日は付き合ってもいいよ。」
「ほんまに?そうと決まれば、すぐ出発するで!オレは、いつでも準備万端や!」
「……テンション高いね、郁。私もいつでも行けるけど。」
梓の賛成意見を得たところで、郁は我先にと外へ出て行く。
「郁……そんなに急がなくても、閉まったりしないから。」
全く慌てることなく、梓は自分のペースで郁を追いかけた……。

