「あっ……おかえり!梓ちゃんも一緒にドーナツ食べようよ!」
「……要らない。」
そっけなく言葉を返すと、梓はダイニングテーブルに腰掛ける。
「そ、そう。ドーナツ嫌いだった?じゃあ、今度はケーキを……」
「それも要らない。」
「そっか……太っちゃうもんね。だったら、カロリーゼロゼリーならどうかな?」
「要らないって言ってるじゃんか!」
コップの水が零れるほどテーブルを激しく叩いて立ち上がった梓に、柚枝はビクッと体を震わせた。
「梓!そんな言い方しなくていいだろ!柚枝は梓のために、いろいろ考えてくれているというのに!」
梓のあまりにもひどい物言いにたまりかねて、柳都が口を出す。

