「わかった。少し待ってて。」
柳都はリビングと直結しているキッチンに向かうと、紅茶を淹れ始める。
柚枝は、ソファに腰掛けたまま大人しく待っていた。
二分も待たない内に、柳都が冷たい紅茶が入った白いコーヒーカップを柚枝の前にあるテーブルに置いた。
「アイスティーのお客様、お待たせいたしました。どうぞ、冷たい内にお召し上がり下さい。」
「ふふっ、頂きます。」
いつになくおどけた口調の柳都に、柚枝は右手を口に当ててクスクス笑った。
「……やっぱり変かな?今のバイトを辞めたら、ファミレスでバイトしようと思って、練習しているんだけど……。」
「変じゃないですけど、柳都兄さんらしくないなって。」

