赤いカラコンが入れられた瞳は、周りの視線を気にしているようにせわしなく左右を見回している。


「ご、ごめん。あまりにも意外で……心の底からビックリしちゃって。」


「やっぱり……柚枝もそう思う?」


「うん……。妹想いの良いお兄さんだなとは思ってたけど、そういう好きだとは、うちも思わなかったよ……。」


声のトーンを落として顔を近づけて話し合う柚枝と梓。

そんな二人を、教室で弁当をつつく六つのグループの内、二つのグループが興味深そうにチラチラ見ていた。



「なんか注目されてるっぽい……。この話は、帰りながら話そうか。」


「う、うん、その方が良いよね……。」