クロスロードラヴァーズ




「うちはあの二人なら絶対上手くいくと思うけどなあ。なんか似た者同士って感じするもん。」


「せやなあ。頑固で素直になれへんとことかそっくりやもんな。」


「雄河君はどう思う……ってあれ?」


問いかけながら、後ろを振り返った柚枝は不思議そうに首を傾げた。

その仕草に、どないしたんと郁が訊く。



「雄河君が居ない……。さっきまですぐ後ろを歩いてきてたのに……。」


「へっ?……ほんまや!どこ行ったんやろ、雄河はん?」


「うち、探してくる!たぶん、まだ近くに居ると思うから。郁ちゃんは先に戻ってて!」


郁に缶ジュースを押し付けて、柚枝は今来た道を駆け戻る。



「あっ……ちょっと待ってや、柚枝はん!」


郁は空いている方の手を伸ばして呼び止めたが、柚枝の姿はあっという間に見えなくなってしまった。