クロスロードラヴァーズ



聖河は深く頷くと、梓の背中に両手を回してそっと抱き寄せる。



「嫌ならば……突き放してくれて構わない。嫌でないならば……ほんの少しの間だけ、こうしていて良いか?」


「ずるい……よ、聖河……。答え……わかってるくせに……訊くなんて……。」


梓は鼻をすすりながら言うと、聖河の胸に顔をうずめる。

トクットクッと少し早めになっている鼓動と、胸が上下するのを感じながら、梓は一つの決心をするのだった。



一方、ジュースを買いに行った柚枝と雄河と郁はというと。



「いいムードになってるかなあ、梓ちゃんと聖河君。」


「どうやろ?こればっかりは、なるようにしかなってへんやろな。」


階段を使って、のんびりとした足取りでに病室に向かいながら、柚枝と郁は残してきた二人のことの話に花を咲かせていた。

雄河は間に入りきれないのか、はたまた考えごとをしているのか、ぼーっとした表情で二人の数歩後ろを歩いている。