「……頭を上げてくれ、雄河。おまえのせいじゃない……全てはおまえの苦しみを分かち合おうとしなかった自分が悪いのだ。」 「兄さんは悪くない!僕のせいなんだ、何もかも……。僕は兄さんから全部奪ったんだ!家族も居場所も……命すらも奪おうと……じだ……。」 雄河の声は徐々に涙声になっていた。 彼の目から落ちる水滴がポタポタと畳を濡らしていく。 「雄河……。」 聖河は雄河の体を無理矢理起こすと、口角を片側だけ上げて僅かに笑ってみせた。