「頂きます。……うん、とてもおいしいです。」
「き、京都から取り寄せた極上物じゃからな。び、美味なのは当然じゃ。」
居間で正座をして、雄河の相手をする幸蔵はどこか挙動不審である。
目をせわしなく左右に動かせ、言葉を慎重に選びながら会話をしているようだ。
「……。」
幸蔵の隣に座る聖河は、無言で二人のやりとりを聞いている。
目は雄河という青年から背けられていた。
「聖河さん……何か急ぎの用でもあるんですか?ずっと無言で、違うところばかり見ているようですけど。」
「いや、特に用事は無いが……。」
「だったら、僕の方をちゃんと見て下さい。僕はあなたと話すために、はるばる日本へ来たんですから。」
雄河に注意されて、聖河は仕方ないといった表情で彼と視線を合わせる。
互いの黒い瞳に姿が映し合わされた。

