「ご無沙汰しています、幸蔵おじさん。」
「雄河……。おまえさん、此処梨 雄河か?」
青年は、はいと頷く。
「……。」
「……入りなさい。聖河、茶菓子を用意してきてくれ。」
黙り込む聖河に頼んで、幸蔵おじさんと呼ばれた男性は雄河を家の中に招く。
「いえ、お構いなく。お邪魔します。」
雄河は首を十五度ほど傾けて人懐っこい微笑みを浮かべて言うと、聖河にペコリと礼をして家の中に上がっていく。
「雄河……。」
一人残された聖河はぽつりと呟くと、重たい足取りで茶菓子を取りに台所へ向かった。
「幸蔵おじさんの家は、やはり居心地がいい空間ですね。木の香りが心を落ち着かせてくれます。」
「そ、そうか。ま、まあ、茶菓子でも一つつまみなさい。」

