「赤外線でお送りしますね。」


「は、はい。」


赤外線通信の操作を行うと、柚枝と雄河は互いにプロフィールを送り合う。



「通信成功……っと。今度こそ失礼します。」


「ま、また会いましょう、雄河君!」


「敬語は要りません。恐らくは、僕の方があなたより年下ですから。」


笑顔を絶やさないまま言って、雄河は今度こそ振り返らずに去って行った。



(雄河君、かあ。ちょっと好みのタイプかも……。)


去り行く雄河の背中を見つめて、密かに思う柚枝だった……。