「どうかしましたか?」
雄河は振り返って、自分に追いついてきた柚枝に尋ねる。
「あ、あの……うちより聖河君のことに詳しい友達が居るの!その友達に話を聞いてみませんか?」
「お心遣いは嬉しいのですが……聖河さんの叔父の家の住所は知っていますので。」
「じ、じゃあ……この傘返したいから、メアド教えておいて下さい!できたらお礼もしたいから……。」
「メアド……ああ、メールアドレスのことですね。それは構いませんよ。」
雄河は笑顔で快諾すると、ズボンポケットから青いケータイを取り出す。
それを見て、柚枝もショルダーバックからわたわたと桃色のケータイを出した。

