「いや……断言できる。これは時神と郁が自分と梓の仲を取り持とうとして考えた策略だ。」
「郁を悪く言わないで。……何か変だよ、聖河。大体、久しぶりに会えたのに、時神、時神って……他に何か言うことないわけ?」
「他にとは、例えばこういうことか?その服……なかなか似合っているぞ、梓。」
予想もしなかった聖河の誉め言葉に、梓の顔にカッと一気に赤くなる。
「な、何、今更、思い出したように服を誉めてるの!」
「……違ったか?ならば、いつにも増して今日はキレイ……」
「や、やめてよ、聖河!こ、公衆の面前で、真顔でそんなこと言われたら……恥ずかしいじゃない……。」
語尾の方はかろうじて聞き取れるような小声で、聖河の言葉を遮る梓。

