「私は郁に遊びに誘われて……。聖河も郁に誘われたの?」
「自分は時神に脅迫紛いの文章で呼び出され……」
言いかけて、聖河の脳裏に一つの考えが浮かんだ。
(そうか……。時神と郁が組んで、自分と梓を引き合わせのか。)
「そ、そっか。たぶん、たまたま待ち合わせ場所と時間が一緒なだけだよね……。」
梓は無理に笑顔を作って言うと、聖河から少し離れた位置にあるベンチに座った。
「梓……非常に言いにくいが、郁はここには来ないぞ。」
「……何を馬鹿げたこと言ってるの、聖河。誘った本人が来ないわけないでしょ。」
聖河の決めつけたような物言いにムッとして、梓が眉を潜めて言い返す。

