その視線に気付き、
「ロキぃ……オレ、おかしいんやろか?」
名前を呼びながら、郁はパピヨンを背中から救うように抱き上げる。
「クゥン。」
「あないに無茶苦茶で自分勝手な最低男やのに、火槌はんのこと……心から嫌いになれへんのや。明日、また会えることを楽しみにしとる自分がおる気がするんや。なんでやろ……?」
「クゥン……アンッ!」
「あっ、ロキ!」
何か思い出したかのように、ロキは郁の手をすり抜け少しだけ開けられたドアから廊下へ出て行った。
「自分で考えろっちゅうことかいな……はあ。」
浅いため息をついて、ベッドに仰向けに寝転がって目を閉じる郁だった……。

