クロスロードラヴァーズ




「……お前こそ何やってんだよ?」


「う、うっさいわ!あんさんがビックリさせるからやろ!」


「はああ?お前が紙に書いて見せろって言ったんじゃねえか。」


「そ、そやけど、急に近づかれたら、誰でも驚くやろ!」


立ち上って数歩後ずさる郁を見下ろして、火槌はへえと意味ありげに口角の左端を上げる。



「へえって何やねん!な、何か文句でもあるんかいな!?」


「嬉しいじゃねえの、郁。体いっぱいで俺様への愛を表現してくれるなんてよ。」


「へっ!?」


驚愕するあまり、郁は両手で口を塞いでしまうような素っ頓狂な声を上げる。



「あ、頭おかしいんやとちゃう!?ど、どう解釈したら、そないなことになるんや!?」



「俺様のこと、めちゃくちゃ意識してんじゃねえか。顔、真っ赤だぜ?」