「わかった」
朗慈は、座り込むわたしのそばに
かたひざをついて。
――トサッ
朗慈の胸に軽く
抱き寄せられる。
朗慈が、横から
わたしを抱きしめてくれた。
その手が、ひどく優しくて・・・・・・
安心して・・・・・・
泣きたくなる。
「里亜が、言い返さないなんてな?
意外なんだけど」
朗慈が、わたしの頭を自分の胸に押し当てながら
いつもみたいに意地悪く言った。
「ど、どういう意味よぉ・・・・・・?」
わたしは、朗慈の言ったとおり
少し、朗慈の胸を押して顔をあげて言い返した。
近い距離
朗慈と、目が合う。
――ど……きん・・・・・・
心臓が、さっきとはちがう
飛び跳ね方をした。
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