未来のない優しさ

マンションの駐車場に着いても眠る柚を抱え上げて、部屋に連れていった。

柚の母親からこっそり預かっている合鍵を初めて使う。
一人暮らしを心配して、差し出された合鍵を受け取った時には戸惑いしか感じなかった…。

弁護士というステータスからか女には不自由しなかったし、特別な感情も持たなかった。

女を見て胸が騒ぐ事も、苦しいほど欲する事もなく淡々と抱いていた。
熱い気持ちで夢中で体を重ね合ったのは柚だけかもしれない。

今もソファに横たわる柚…。
スカートから伸びる細い足を見て鼓動は高まる…。

高校生のガキか、俺は…。