「…健吾?」
小さくつぶやいた声が届いたのか…。
わからないけれど、ちょうど信号待ちで止まった時、突然笑い出した健吾に私も孝太郎もびっくりした。
「お前、三十路過ぎても
『柚ちゃん』なわけ?」
くくっと笑うと、それまで包んでいた私の手をそっと離した。
瞬間寂しくて、思わずその手を掴みそうになってしまう。
「もうすぐ課長なんだろ?
柚ちゃんって…」
そんなに笑えるものなのかと溜息が出そうになるけれど、孝太郎もくすくす笑いながら
「いいんです。仕事はかなりできて隙がないけど、仕事離れたらぼんやり綺麗なお姉さんなんで」
小さくつぶやいた声が届いたのか…。
わからないけれど、ちょうど信号待ちで止まった時、突然笑い出した健吾に私も孝太郎もびっくりした。
「お前、三十路過ぎても
『柚ちゃん』なわけ?」
くくっと笑うと、それまで包んでいた私の手をそっと離した。
瞬間寂しくて、思わずその手を掴みそうになってしまう。
「もうすぐ課長なんだろ?
柚ちゃんって…」
そんなに笑えるものなのかと溜息が出そうになるけれど、孝太郎もくすくす笑いながら
「いいんです。仕事はかなりできて隙がないけど、仕事離れたらぼんやり綺麗なお姉さんなんで」

