未来のない優しさ

「え…?やっぱり違うんですか?
社内でも綺麗で有名な柚ちゃんにいよいよ彼氏かと…。
スクープだ、ってわくわくしてたんですけど」

「スクープって…」

溜息まじりに肩を落として

「私のネタなんて誰も気にしないって…」

「気にしてますよ。
第一、大和さんは最後には柚ちゃんと結婚するって。
内心ではみんなそう思ってたし」

「な…なんで…」

孝太郎の真剣な顔を見ると、ふざけてるとは思えなくて、言葉につまってしまう。

大和君とそんな風に見られてるなんて想定外で。

嘘。
…気付かないふりをしていた事実が溢れてくる。

応えられない大和君の気持ちから目をそらしていた何年もの間…。

ごまかしてばかりで甘えっぱなしだった。