未来のない優しさ

「葵ちゃんの幸せな顔はたっぷり見てるよ」

相模さんに愛されてからずっと…輝いてるし。

「…柚ちゃんだって、幸せにならなきゃ。
マスコミなんて蹴散らして強くなって欲しい」

じっと私の目を見てそらさず…。
話し方は優しいけど、意思は固くて頑なな瞳に捕らえられる。

「葵ちゃん…」

「柚ちゃんは何も悪くないんだからね。
欲しい物やしたい事は諦めちゃ駄目。
手放したら駄目。

結婚式にも来てね」

わかった?
と首をかしげてほほ笑む葵ちゃんは何だかたくましくて…。
今まで細くたおやかなイメージしかなかったのに
力強い…。

じんわりと葵ちゃんから言われた言葉が体に染み入って…、どう答えていいか戸惑っていると。

エレベーターが16階に止まって扉が開いた。