未来のない優しさ

自然に差し出された手に、迷う事なく置かれた葵ちゃんの手。

見つめる目も優しくて、葵ちゃんを本当に大切にしてるのがよくわかる。
仕事での絡みしか付き合いがなかった相模さんの新しい顔を見る事ができて、何だか不思議な気分…。

「客室を一部屋とってあるの。
ホテルの関係者も集まってくれるから、一気に決めてしまおう…。

柚ちゃんの警護とか」

エレベーターに乗り込んで、押されたのは16階。
記憶に間違いがなければフロア全部が客室のはず…。

「私に警護なんて大袈裟すぎるし。
自分でなんとかできるから…あまり気を使わないでよ…」

「…こないだも言ったでしょ?
今は私たちより柚ちゃんの方がマスコミの商品価値は高いって。

何かあってからじゃ遅いから、ちゃんと考えて手を打っておかなきゃ」